女性も30代の半ばにもなりますと、3~4人に1人は子宮筋腫を持っていると言われております。
戦時中の「産めや増やせや」時代では考えもつかなかった女性の病気の子宮筋腫が、現代ではありふれた病気の一つになってしまいました。
摂取栄養素の増加ならいいのですが、食生活の欧米化に伴い、摂るべき栄養素の減少、ジャンクフードの増加などもあり、偏った栄養の摂取も子宮筋腫を多く発症させている原因の一つに挙げられるようです。
子宮筋腫と妊娠
高齢を過ぎての妊娠は少ないとは言え、30~40代での妊娠は普通にありますから、子宮筋腫を持っている状態で妊娠する女性も少なくありません。
一般的に生理不順の女性は多くおりますし、筋腫の症状でもある頻尿や腰痛があったとしても、検診等が無ければ自分のお腹に子宮筋腫の存在を知ることは極めて少ないと言えるでしょう。
ですから妊娠して初めて自分が筋腫持ちと分かった時には、「赤ちゃんを無事生まれだろうか?」と言う不安に包まれることになってしまいます。
子宮筋腫と出産
子宮筋腫を持っていて妊娠した場合、出産時におけるリスクはどれほどのものなのか?
気になる方も多いでしょうから、詳しくお伝えしようと思います。
子宮筋腫がある方の出産時のリスク
筋腫を持っていたとしても、何のトラブルも無く出産することは出来ますが、筋腫の大きさや場所によって影響がでる可能性もありますから、自然分娩になるのか、帝王切開になるのかなどの話を医師と十分話し合う必要があります。
胎児への危険
子宮筋腫があることで、胎児への危険性はどのようなものなのでしょう?
次のようなことが子宮筋腫により、起こる可能性が高いと言って良いでしょう。
● 切迫流産・切迫早産
・胎児が育つのと同じように筋腫も大きくなった場合は、早産の可能性が高くなります。
また、妊娠初期では子宮の変形により、流産する可能性もあります。
● 胎位異常(たいいいじょう)
・胎児は筋腫があることで子宮の中で胎位を変えられず、逆子になる可能性があります。
● 弛緩出血(しかんしゅっけつ)
・子宮が正常の場合、分娩後の出血は自然に止まるのですが、筋腫がある時にはこの筋腫が邪魔になり、子宮収縮が正常に行われなくなってしまいます。その結果、出血が続いたり、大量の出血が起きたりしてしまいます。
このようなことから子宮筋腫が小さかったり、数が多くない場合は、出産時にトラブルが起こる可能性が低いと考えられますから、自然分娩が可能となるでしょう。
しかし、上記に相反し、子宮筋腫が大きくなっていた場合や筋腫の数が多いと言う場合には、赤ちゃんが産道から出るのが困難な状況となってしまい、自然分娩以外の帝王切開での出産になってしまいます。
まとめ
生理不順や体調不良が長年続いていた方にとっては、特別異常な症状から子宮筋腫が見つかったと言うことは少なく、たまたま行った検診などで見つかる場合が多いです。
ですから、お子さんを望んでおられる方は、定期的に検診を受けられると妊娠前に子宮筋腫を発見することが多くなり、延いては出産時のリスクも抑えられると考えます。