子宮筋腫が見つかった場合の対処法は、これまでもお伝えしましたが、今回は対処法のおさらいとピル(低用量ピル)について記述したいと思います。
手術で子宮筋腫に対処する
手術で対処する場合は、筋腫だけを切除する子宮筋腫核出術と筋腫のある子宮全てを切除する子宮全摘術になります。
● 赤ちゃんを望む場合は、子宮を残す子宮筋腫核出術を選べます。
● 赤ちゃんを望まない場合は、子宮筋腫核出術と子宮全てを切除する子宮全摘術から選べます。
・子宮筋腫核出術には、開腹手術と腹腔鏡手術があります。
・子宮全摘術には、開腹手術と膣式手術、更に腹腔鏡手術と膣式手術を組み合わせた方法もあります。
新しい手術方法で子宮筋腫に対処する
体に傷を付けない方法としては、非観血的手術があります。
非観血的手術には、子宮動脈塞栓術(UAE)と集束超音波治療(FUS)がありますが、どちらも再発の可能性があります。
さて、子宮筋腫が見つかった場合、過多月経や不正出血、月経困難症、および貧血などの症状が酷い状況では、ピルが使われることがあります。
ピルを使うのは飽くまでも症状の緩和ですから、子宮筋腫が消えるということではなく、治るということでもありません。
ピルが使われることで、いくつか気を付けることがあります。
ピルに含まれる「エストロゲン」と「プロゲステロン」に似た成分により、筋腫が大きくなった事例あると共に、小さくなったという事例も併せ持っており、ピルを服用してみないと分からないのが現状ですから、症状の緩和がピルの目的と考えるようにして下さい。
ピル(低用量ピル)服用の際の注意
● タバコを吸う人か否か?
ピルの服用で注意する点は、タバコを吸う人か否かになります。
タバコを1日15本以上吸っている方は、ピルを服用してはいけないことになっております。
服用すると、血栓症が起こる可能性が大きくなり、脳梗塞が引き起こされることが懸念されます。
ですから、ピルを服用される場合は血栓症のリスクが高くならないよう、タバコは吸わないようにして下さい。
※ 血栓症:血管の中に血液の塊ができる病気で、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気に直結している。
● 40歳以上か否か?
40歳以上の方がピルを服用すると、タバコを吸う場合と同様血栓症のリスクが高くなります。
ピルを服用した方が血栓症を起こす割合は、服用していない方の3倍~6倍になります。
ですから、どうしてもピルが必要の場合は、医師と相談して下さい。
ピルの副作用
ピルとタバコの関係と影響は一部の喫煙者に限定されますが、一般的にピル服用時の副作用は吐き気や頭痛、下腹部痛、下痢、浮腫み、体重の増加などになります。
子宮筋腫の症状が酷い場合、喫煙や年齢の観点からピルが服用できない時には、手術の可能性が高くなるようです。