子宮筋腫は比較的多くの女性が抱えている病気で、悪性の癌に変わることが殆どない良性の腫瘍です。
悪性の肉腫と違って、良性という事から「大きくならなければ大丈夫!」と思っている方も多いようです。
生活する上で、何の支障もなければ経過観察の処置を取られますから、当然ナーバスになる必要もないでしょう。
しかし、注意しなければいけないのが子宮筋腫の合併症でしょう。
「良性だから大丈夫!」という先入観が、合併症を見逃してしまう場合が少なくないような感じです。
子宮筋腫の合併症はいくつかありますから、下記をお読み頂き、体調に異変があった場合は早期の受診をお勧めいたします。
子宮筋腫の合併症
子宮筋腫の合併症としては、子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮嚢腫などがあります。
子宮内膜症
子宮筋腫の合併症の中で、一番多いのが子宮内膜症になります。
この病気は、30代後半過ぎの女性に多く見受けられ、子宮内腔以外の箇所で子宮内膜が成長するという特徴を持ちます。
● 子宮内膜症の症状
鎮痛剤で抑えきれない激しい生理痛や腰痛が起こることもあります。また、生理のたびに症状が悪化し、不妊症の原因になる場合もあるので注意を要します。
● 子宮内膜症の治療法
子宮内膜症は、手術療法と薬物療法で治療されます。
・手術療法
手術療法は、腹腔鏡手術と開腹手術で行われます。
腹腔鏡手術は、お腹に小さな穴を開け、腹腔鏡と手術器具を挿入してモニター画面を見ながら手術が行われます。
開腹手術は、お腹を大きく縦に切る場合と横に切る場合があります。
・薬物療法
薬物療法は、対処療法と内分泌療法で行われます。
対症療法では、鎮痛剤が用いられます。
内分泌療法では、GnRHアナログ療法やダナゾール療法、偽妊娠療法、黄体ホルモン療法で治療が行われまが、偽妊娠療法では、低用量ピルが使われます。
子宮腺筋症
子宮腺筋症は子宮筋層内に子宮内膜が入り込んでしまう病気で、20代から更年期の女性が発症しやすいと言われています。
子宮筋腫を患っている方の30~50%は、子宮腺筋症も併せて発症していると言われています。
● 子宮腺筋症の症状
生理前から生理中に激しい痛み(生理痛)が起きると共に過多月経になることが多くなります。
また、不妊や流産、早産の危険があるのも子宮腺筋症です。
● 子宮腺筋症の治療法
子宮腺筋症の治療法としては、手術療法と薬物療法がありますが、手術を望まなければ、薬物療法が行なわれます。
手術療法:子宮全摘出術や子宮腺筋症核出術、子宮動脈塞栓術が行なわれます。
薬物療法:鎮痛剤による症状の緩和とホルモン剤による卵胞ホルモンの分泌をコントロールする治療になります。
卵巣嚢腫
卵巣嚢腫は卵巣にできる腫瘍ですが、良性か悪性かは病理検査で判断されます。
また卵巣の中に溜まった物質によって幾つかの種類に分けられます。
・漿液性嚢腫(しょうえきせいのうしゅ)
嚢胞内にサラッとした黄色い液体が溜まった腫瘍で、卵巣嚢腫の25%程占めている。
・粘液性嚢腫 (ねんえきせいのうしゅ)
嚢胞内にドロッとした粘りのある液体が溜まった腫瘍で、卵巣嚢腫の20%程占めている。
・皮様性嚢腫 (ひようせいのうしゅ)
嚢胞内はドロドロしており、中に髪の毛や歯が含まれている卵巣嚢腫です。
・チョコレート嚢腫 (ちょこれーとのうしゅ)
子宮内膜症が原因となっている嚢腫で、嚢胞内はチョコレートのような液体が溜まっている嚢腫です。
● 卵巣嚢腫の症状
初期の状態では、自覚症状と言えるものは殆どないが、嚢腫が大きくなって進行した状態では、外から触れて気が付いたり、腰痛や頻尿、便秘などから見つかることもある。
嚢腫が大きくなると、茎捻転を起こすこともあるので、危険ですから注意して下さい。
● 卵巣嚢腫の治療法
直径10cm以下の良性の卵巣嚢腫は腹腔鏡下腫瘍摘出術(ふくこうきょうかしゅようてきしゅつじゅつ)を行えますが、それ以上大きい場合や悪性が疑われる場合は開腹手術で腫瘍を摘出することになります。
何れの病気にしても、早期発見が完治するためには必要なことなのです。
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